「幼児期の教育」が将来を決める科学的根拠

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 みなさんは、子供に塾や習い事をやらせたいと考えているでしょうか?
 我が家は4歳の長女と0歳の次男がいますが、未だ習い事や教育の類は手付かず…。
 「早いうちから、何か打ち込めるものを見つけてくれたらなぁ」
 「将来困らないよう、できる限り能力を伸ばしてあげたい!」
 そう考える親御さんも多いと思います。
 一方で、「小さいうちから学習や特別なスキルを磨く必要なんてない。」
 「中学手前くらいまでは、自由気ままに育てたほうがいい。」なんて声も聞きます。
 そんな両極端な意見の狭間で、気づけば何もしないまま、小学生…中学生…みたいなこともあり得ます。
 そこで、実際のところ、幼児期に教育的投資をする効果はあるのか?について色々調べてみました。
 すると、幼児教育は確かに効果があり、将来の成功へ最も意味ある投資であるが、その真髄は「単にIQを上げる」ことよりも、深い理由があるとわかってきました。

幼児期の投資は不要派の方も、何かやりたいけど一歩踏み出せなかった方も必見です!

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子供一人にかかる教育費の平均は?

 

 習い事・教育への投資うんぬんの前に、長引く社会の不景気で、日々の生活費や、子供の学費のやりくりだけで大変です。
 文部科学省の、幼稚園から大学まで、子供「一人」にかかる費用の平均は、全部公立でも約1000万全部私立なら倍以上という試算です。
 見るだけで、私は目の前がグラッときます…w
 “引用:文部科学省「子どもの学習費調査(平成24年度)」を元にした宮崎太陽銀行の図”

 各家庭が年収のどれだけを子供の教育費に支出しているのかの調査では、年収の40%を教育費に使っているというデータもあります。
 きついやりくりの中でもなんとか教育費を捻出する理由は、一重に「子供の将来への投資」でしょう。
 「今、子供にさせてあげられること」が、将来なんらかの生きるスキルになれば…。
 そのような願いは、誰しもが持ちます。 

教育への投資に対する勘違い

 では、その教育投資がベストな時期はいつなのか?
 と、いう話ですが、多くの親御さんは、
「小学校より中学校のころ、中学校のことより高校で、高校よりも大学時期にお金を!」
 と、学齢が上がるほどお金や時間のリソースを惜しまない傾向があるようです。
 林修先生の「今でしょ!」じゃなく、「今じゃないでしょ」の精神なわけです..w 
 そのため、「子供が小さいうちに学資保険や別預金で教育費を温め、大きくなった時使おう!」

 と、考えるわけですね。
 しかし、それはまったく真逆の思想だとわかったのです。

教育的投資は就学前に!幼児教育が一番効果的

 教育経済学の分野では、「学齢が上がるほど、教育資金をかけるべき」という勘違いを真っ向から否定しています。
 下記の図は、いつどれくらい投資すれば、将来どれだけ、その投資が効果をもたらしたのか?を表したものです。

“引用:ジェームズ・ヘックマンの就学前教育の重要性を説いた研究より”
“図の引用:幼児教育のピグマリオンHPより”

 見ての通り、もっとも効果を及ぼしたのは就学前ですね。
 嘘見たいにきれいに右肩下がりですw
 たしかに、大人になってから
「よし!英語をみにつけよう!」
 と、高いお金を出して、英語教室通ったものの、久しぶりに勉強したら思った以上に頭が固くなっていて
「吸収力が子供のころに比べて落ちたなぁ…とほほ」
 なんて、よくありそうな話です。
 それに比べ、子供は(ハマりさえすれば)スポンジに染み込む水のごとき吸収力で次々に新しいことを身につけていきます。
 よくよく考えると、大きくなってからより、小さいうちに投資するというのは、体感としても当たり前のことに思えます。
 上記の表から試算すると、幼児教育にかける1ドルは、青年期の3ドルの価値があり、成人期の8ドルの価値となります。
 日本円で考えると、幼児期に1ヶ月11,500円教育に投資するのは、就学後に1ヶ月34,500円分投資しただけの価値があるわけです(1ドル115円×100で計算)。

幼児教育の効果を明らかにしたノーベル経済学者

 

 さて、前述のような就学前投資の効果を明らかにしたのが、ノーベル経済学賞を受賞したヘックマン教授です。

 ヘックマン教授らは、1960年代から開始され、現在も追跡が続いているペリー幼稚園プログラムという取り組みに注目しました。
 以下簡単に研究の中身を紹介します。

ペリー幼稚園プログラムとは?
アフリカ系米国人の3〜4歳の子供たちに質の高い就学前教育を提供し、今なお様々なところで高い評価を得ているプロジェクト。

プロジェクトの中身
①先生は博士号以上の児童心理学専門家
②先生1人に子供6人の少人数制
③週に5日、2〜3時間の読み書きや歌などのレッスン
④1週間に1〜2時間の家庭訪問

プロジェクトの分析
ヘックマン教授らは、運良くこの幼稚園に「入園できた子」と、「入園できなかった子」を比較調査し、40年にわたる追跡調査を実施。

その結果わかったこと
・6歳時点でのIQが高かった
・19歳時点での高校卒業率が高い
・27歳時点での持ち家率が高い
・40歳時点での所得が高い
・40歳時点での逮捕率が低い

“関連書籍:幼児教育の経済学(ジェームズ・ヘックマン)”

 いいことづくめですねw

幼児教育は子供にどんな効果を及ぼしたのか


 多くの方は「就学前に質の高い、手厚い教育をうけたんだから、学力が伸びて、将来も成功できたのよ!」
 と思うかもしれません。
 そうだとしたら、就学前から塾にでもいかせばいいだけなのですが、実はそう単純でもなかったのです。
 なぜなら、ペリー幼稚園の子ども達は、たしかに小学校入学前後で、他の子どもに比べIQのポイントで差をつけていました。
 しかし!その差は8歳前後でなくなったのだそうです。

「えー!?就学前から一生懸命読み書きや歌のレッスンして、他の子と差をつけたのに、早々に効果なくなってるじゃない!」
 と思うかもしれません。
 IQの差は小学校高学年でほぼ埋まったことは事実ですが、先に紹介した持ち家率や所得に差が出たことも、40年の追跡結果から、また事実。
 いったい何故でしょうか。
 実はこの研究から、単純な「早期教育によるIQの向上が、将来の成功の因子ではなかった」ことがわかってきたのです。

IQより性格が将来成功の因子を決めていた?


 上記の話をするには、まず認知能力と非認知能力について知らなくてはなりません。
 難しい言葉に聞こえますが、実は単純で、下の図がわかりやすいので、参考にしてください。


“引用:ワカールそろばん教室の図より” 

  非認知能力は言葉で簡単に言うなら、
「人間の気質や性格的特徴」です。
 非認知能力は、「忍耐力」「自制心」など、全部で9項目あります。以下参照

自己認識:自分に対する自信がある、やり抜く力がある
意欲:やる気がある、意欲的である
忍耐力:忍耐強い、粘り強い、根気がある、気概がある
自制心:意志力が強い、精神力が強い、自制心がある
メタ認知ストラテジー:自分の状況把握、理解度の把握
社会的適正:社会性がある、リーダーシップがある
回復力と対処能力:すぐに立ち直る、うまく対応する
創造性:創造性に富む、工夫をする
性格的な特性:神経質、外交的、好奇心が強い、協調性がある、誠実

 ペリー幼稚園プログラムでヘックマンが出した結論は、
一般的に”生きる力”とも称される、非認知能力が向上した」
 というものでした。

 非認知能力についても様々な研究が行われており、「将来の年収」「学歴」「労働市場での成果」に大きく影響することがあきらかになっています。

 ヘックマンは、忍耐強さとか、社交性とか、好奇心の強さとか、様々な非認知能力は、
「机上の勉強ではなく”人から学び獲得していくもの”」
 とおっしゃっています。

 IQテストの創始者であるアルフレッド・ビネーは、
 「知能には言語力や論理力が重要な要素としてあるが、それ以外に熱意が重要だ。」
 と述べています。
 その「熱意」の部分こそが、上記で言う「非認知能力」ということになります。

本日のまとめ

 いかがでしたでしょうか。
 頭はすごく良いのに

自己管理ができない」
「やる気に乏しい」
「誠実でない」
「コミュニケーション下手」

 みたいな人が全然出世せず成功できない
 なんて例を、私たちもなんとなく実感として知っていますよね。

 一方で、頭はそこそこだが

「自己管理ができて」
「やる気に満ち溢れ」
「誰に対しても誠実で」
「人と話せば大体気に入られる」

 みたいな人が、上司に目にかけられ、周囲から愛され、社会の中で成功を納める!
 と、いう例も往々にしてあります。

 そう!大事なのは人間としての「気質」「性格」。生き抜く力と言われる、非認知能力だったのです。

 特に将来の成功に及ぼす重要な因子は、非認知能力の中でも「自制心」「やり抜く力(グリッド)」だそうです。

子供の将来にIQより重要とされる「2つのスキル」
  以前「幼児期の教育」が将来を決める科学的根拠という記事で、「ヘックマン教授らのペリー幼稚園プログラムの研究」から以下のような事がわか...
 幼児期から非認知能力を伸ばしてあげることが、
 子供に対して「将来への一番のプレゼント」であり、できる限り幼児期からその介入を始めなければ、年齢とともに介入の効果は減る!

 と、いうお話でした!

 しかも、自制心とグリッドは遺伝ではなく「後天的なトレーニングで伸ばせる」そうです。
 このことについては以下の記事でまとめていますので、よければ参考にしてみてください!

幼児期からできる!自制心の鍛え方
皆さんはダイエットや禁煙など、自分で決めた目標を達成するための「自己管理」は得意なほうでしょうか? 「夏までにお腹を引き締めようと運動...
幼児期からできる!グリット(やり抜く力)の鍛え方
子供の将来の成功に繋がるIQより大事な能力「グリッド」「自制心」。今回はやり抜く力グリッドの鍛え方を紹介。

おまけの小話
 私の友人にも、小学生のころ、散々「バカ」とイジられながらも、周囲から蔑まれているわけではなく、愛されているキャラの子がいました。
 勉強はまったくできないけど、遊ばせるとセンスがよく、周囲には友人が絶えず、私も彼を尊敬していました。
 その彼が、今東京の大手企業で活躍している理由が、今回色々調べていてわかりましたw
 高校も卒業していない中卒ヤンキー上がりの人が、以外と商売や会社員として成功しちゃう!
 なんてストーリーも、もしかすると非認知能力の高さが説明してくれるのかもしれません。

関連書籍画像

★幼児教育の経済学 / ジェームズ J ヘックマン

今回の記事をまとめる上で参考にした書籍です!難しい内容も多々あれど、「幼児教育」とか「早期教育」って“お勉強させること”だと勘違いしていた人にこそ読んでほしい一冊。

★「学力」の経済学 / 中室牧子

「林先生が驚く 初耳学」(2016年の放送)で「日本国民全員が一冊持つべき」と紹介されたベストセラー本。 
こちらでもヘックマンの理論をより完結にわかりやすく紹介されています。それだけではなく、「子供をご褒美で釣るのはいいのか?」「ゲームは子供に本当に悪影響なのか?」「ほめて育てるのは効果があるのか?」など、他にも様々な気になる育児の話題を、すべて「データ」に基づいて紐解いている必見の書。

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4歳のおしゃべり長女&0歳のおしゃぶり長男の父。元々根暗なゲーマー。子供が産まれ一念発起しイクメンに(なりきれてない)。現在「育休中」。一人悶々考えるのが好き。時折それを妻に話すも対して相手にされないのでブログで綴るw ペコパパについて詳細
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