【開園50周年】旭山動物園の行動展示だけではない魅力

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ペンギンの散歩

ペンギンの散歩でコースアウトしないのは観光客が壁になっているから。それでも時々やんちゃものが壁を突破し、コース外へ旅にでるw

 さて今日は私がずっと書きたかった記事「旭山動物園」の魅力についてです!2017年7月で開園50周年を迎え、明後日4月29日より、29年度夏期営業が始まりますので、このタイミングで書かせてもらいます!
 旭山動物園は私の地元旭川市が誇る、日本最北の動物園にして、毎年動物園の入場者ランキング上位の動物園です。一時廃園の危機にまでさらされた地方の弱小動物園が、今や名古屋の東山動物園や東京の上野動物園などとランキングで肩を並べ、世界に名を知られる施設となりましたね。

しかし今日書かせていただくのは、

旭山動物園を訪れた際、忙しく園内を回り、行動展示を見れるだけ見て満足するだけじゃ勿体ない!

ということ。

 行動展示は起死回生の起爆剤となり、“奇跡の動物園”として名をはせるキッカケとなりましたが、あまりに有名になりすぎて、「どう?このアイディア(展示方法)凄いでしょ!」という部分だけがメディアでとりだたされ、園全体の伝えたいメッセージやコンセプトが受け取られていない場合もあると思います。

 開園50周年を迎える旭山動物園に今年も沢山の方々が足を運んで見たいと考えていることと思いますが、その前に当記事を読んで、より“魅力的な動物園”と思っていただけたら幸いです!

※なお、写真は私が園で撮ったものを使用し、写真には小話を挟んでいきますw

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レクラングル大

動物園は動物の見世物小屋か?“行動展示”のポリシー

旭山動物園キリン画像

行動展示だけではなく旭山は様々な視点や角度からの観察を大事にしていると思う。私を見下ろすキリン。「ちいせぇな人間よ」

 私は旭山動物園好きで書籍もいくつか読んでいますが、この項では“旭山動物園復活”の立役者の一人で、現園長である坂東園長の書籍から言葉を借りながら進めて行きます!

(参考書籍:動物と向き合って生きる 著者:坂東元 )

動物園は世界中から珍しい動物を集めて来て皆んなに見せる所。これが一般的な人のイメージだと思う。
では一般的に動物園は何を伝える所か。そう考えると定義づけは難しい。結局、伝える側が自分の信じる所をしっかり具体化するしかない。
旭山動物園には信じることがあり、伝えたいメッセージがある。それは野生動物は“すごいんだ”ということ。それを伝えるためには、人間側の感覚ではなく、動物の側に立って展示する必要がある。人間の側に立って「かわいい」とか、ショーをするから「えらい」というのではなく、本来持っている能力や動きをありのまま見てもらいたい。
引用:前掲書193-194p

 痺れるメッセージですね。レッサーパンダの風太くんや、志村どうぶつ園のパンくんなど、人間側から見て“うける見せ方”はいくらでも人は思いつきます。そしてその思惑通り人々も動きます。けどそのブームはすぐ忘れ去られ、一時動物を見世物にしたお金稼ぎができたというだけで、すぐ人々の記憶からは忘れ去られます。

 坂東園長は、素のままの動物の姿に感動し、そこから野生動物へのリスペクトや慈悲の気持ちに繋がって欲しいと語られています。行動展示はこうした価値観・ポリシーを元にされているのですね。

 目の前で直立するレッサーパンダや服を着て犬の散歩をするチンパンジーからこのメッセージ性は受け取りにくいでしょう。エンターテイメントとして人々が喜ぶことは否定しませんが、動物が人の道具のように扱われているのには違いありませんよね。

 けどそんなこと言うと、「動物園自体が動物を道具にして金を稼ぐ施設じゃないか。」という人たちが必ずいます。そのことについて引き続き考えて行きましょう。

“野生を見せること”と“見世物小屋・ショー”の違い

レッサーパンダの吊り橋画像

夕方のほうが吊り橋を行き来します。暑い夏は木陰で寝ており見つけるのも難しいwけどそれがまた野生の姿。

以下からも前掲書から引用しながら話を進めます!

オランウータンの空中散歩やホッキョクグマのダイビングは見世物ではないといっても、なかなかそれは伝わらなかった。
見世物にするとはどういうことか?
「ウチのチンパンジーは天井から7メートル飛んでみせます!」「うちのゾウは、片足をあげたまま3分立っています!」「うちのレッサーパンダは逆立ちします!」このように、野生種に対して“人間的な見方や価値”を加え、そこだけ切り取ってお客さんに見せるということである。動物園関係者が「うちのレッサーパンダは20秒立てます!」といったとたん、野生種を意識的に見世物にしたとぼくは感じた。ー略ー
うちのレッサーパンダもたまに立っている。立たせようと思えば立たせられる。けどそれはレッサーパンダの機能として当たり前の事だが、そこだけ切り取って「うちのも立ちます!」とやった時点で、犬にチンチンさせるのと同じ感覚だ。
引用:前掲書207-210p

 坂東園長は動物を「ペット/家畜/野生」と明確に分類し、先に述べた様に「野生動物の素晴らしさ」をコンセプトとして生まれたのが行動展示です。
 しかし風太くんの一件は「かわいいか・かわいくないか」という判断基準がベースとなって、人々にウケ、各動物園の「うちのは何秒立つ!」「うちのは歩く!」「風太の血筋は立って歩けるすごいレッサーパンダ!」と加速していきましたね。文字通りの“客寄せパンダ”ですw

立つレッサーパンダ画像

旭山のレッサーパンダも何もせずとも立つw愛らしいという意見に異論はないが、やらせてまで見せるものではない。

 これがウケると、人は野生動物にもペットと同様の感覚を向けるようになると坂東園長は警鐘を鳴らしています。我が地元北海道でも、知床でヒグマを「かわいい」と表現し、必要以上に近づいたり、写真に収めるために餌をなげる事案が発生しています。結果ヒグマがこれまで野生で培ってきた“人との距離感”を変えてしまい、民家にまでヒグマが近づき、銃殺しなければいけない自体になっています。
 人が野生をペットの感覚で扱ったことが原因でヒグマの命を奪ったのですね。もしくはヒグマが人の命を奪う場合も…。

 では、旭山動物園で有名になった“行動展示”はどのようなコンセプトなのか?動物を見世物にすることと何が違うのかに迫りましょう!

行動展示は動物本来の能力や野生での姿に迫るもの

旭山動物園アザラシの水中トンネル画像

この光景は正直撮影が難しい。ほぼブレるかフレームアウトするwできればカメラは置いて、目に焼き付けたほうがいい。

またまた著書からの引用からはじめたいと思います!

オランウータンはショーとして綱渡りしているのではない。オランウータンは餌を求めて高い所を移動する。その習性をありのまま見てもらっているだけだ。
リアンは餌をあげなくても気が向いたら、空中の綱を使って腕渡りする。それが野生化での移動のしかただからだ。
ただ、それではせっかく来てくれたお客さんが腕渡りを見る機会が少なすぎる。そこで“もぐもぐタイム”の時に餌をあげ、リアンに移動してもらっている。ショーではなくあくまで自然の習性だ。
リアンは綱渡りの途中で止まってひょうきんなポーズをとることがある。そのポーズを切り取って「このポーズ見て!」と売り物にした瞬間、オランウータンという独特な個性を持った種に、人間的な価値観をつけて切り取り“見世物”にしたということになる。
ペンギンの散歩にしても、キングペンギンは歩いて餌場まで行く習性を見てもらっているだけ。もし音楽を流したり、着ぐるみをきた人が先導したりすれば、それも見世物だ。
引用:前掲書213-215p

 一貫してますね価値観が!このほかにも“アザラシのマリンウェイ(水中トンネル)”や“空飛ぶペンギン”だって同じことですね。坂東園長は、アザラシのマリンウェイで旭山動物園が一気に全国・海外にまで名を馳せたことに対し、ただ野生での習性をそのまま見てもらっただけなのに、見せ方を変えただけでこんなに変わるのかと驚いたといいます。
 けど同時に、人気は加速の一途を辿り、伝えたいメッセージが来場者に伝わっているのかと葛藤するようにもなっていきます…。

旭山動物園が伝えたいメッセージ【行動展示のその先】

旭山動物園ライオン画像

色々な角度からライオンを楽しめる展示。目の前でも見れるし、真上からも観察できる。

 さて、これまで旭山動物園は“野生の素晴らしさ”を感じて欲しい。そのためには動物を“見世物”にするやり方ではダメ。その答えとして“行動展示”が存在することについて述べて着ましたね!でもその素晴らしい行動展示を体感したお客さんに「しろくますごかったなー」だけで終わらないで欲しいという園長始め、飼育スタッフ達の思いがあります。以下に引用してみましょう!

生き物の絶滅スピードがすごい。恐竜が絶滅したのは中世代末期だが、多くの生物が絶滅した「大絶滅期」の300倍のスピードで色々な生物が消えていっている。とくに、動物園にいるような大型動物は極度に数を減らしている。自然の破壊によって、住む所を追い立てられているからだ。
「ホッキョクグマが絶滅しそうです」と言われた時、「あ、嫌だな」と感じてくれたら何かが変わる。一人じゃなくてそれが100人、1000人、一億人、十億人となれば、社会全体が変わる。「野生動物はいなくていいです!人間と、人間が作ったペットと家畜だけでいいです!」というのなら話は別だけれど。
引用:前掲書198p

 子供の頃夢中で見たゾウやキリン。原っぱで追いかけた殿様バッタや、朝から森を探したクワガタなど、昔夢中になったものが「この世界にもう一匹もいなくなりました」「もし見たかったら映像か剥製をどうぞ」なんてことになったら私は嫌ですね。続けて引用します

旭山動物園でホッキョクグマのダイブを見て感動した「ホッキョクグマって凄いね!」と思っても、それがすぐにホッキョクグマの絶滅を回避することには繋がらない。しかし、多くの人が子供の時に、「生の野生動物」を見てオーラのような何かを感じたとしたら、「地球は人間だけのものではない」と考える心を持つことができるのではないか。
引用:前掲書199p

 私が旭山動物園が好きな理由の一つは、単純に楽しいだけではなく、上記のような“大局観”を子供と一緒に学べることです。
 “木をみて森をみない”とは、一部分しか見ず全体を把握できない視野のことを言いますが、旭山動物園の魅力は、私たちに“木を一本見る”所から、“森全体を見渡す”所まで視野を広げてくれるところです。
 実際、上記のような考えは坂東園長が独りよがりで本に書いているわけではなく、動物園をくまなく回り、動物だけではなく掲示板に目を配りワンポイントガイドもぐもぐタイムのようなイベントで飼育員の話に耳をすませば聞く事ができます!

 ぜひ訪れた際は旭山動物園の魅力をくまなく味わって欲しいですね!

まとめ

冬の動物園しろくま画像

冬の夜の北極熊は白と黒のコントラストが映える。そして夏より大概の動物が元気!昼間より夜のほうが動物園は楽しめると思う。

 「飛ぶカバすげー!」「レッサーパンダが橋を渡った!かわいいー♡」「トラが目の前にいる!すごい迫力!」「きゃー!アザラシが立てに泳いでいった〜♡」などなど、旭山の行動展示には人を夢中にさせる力があります。そこから一歩踏み込んで、

・この姿は“ショー”や“芸”の類ではなく、自然界・野生で当たり前に見られる動物の営みの一部だということ(その見せ方を工夫しただけ)。
・また、その動物達が暮らす自然界が、人間の営みとの関係でどういった状況に晒されているのかということ。
・その事実に何を感じ、どう暮らしていこうかと改めて考えること。

 このような事を感じ・考えると、旭山動物園の魅力を骨の髄まで堪能できると思います!子供達にも伝えて行くべきことだとも思いますし。

 私は地元なのでゆったり構えて(考え・感じながら)見れますが、それが観光とあれば、一つ見て次!さぁ次のもぐもぐタイムまでダッシュだ!あー見れてよかった!となる気持ちもわかります。できるだけ満喫したいですからね。

 まずは一匹、子供が大好きな動物からとか、上記のような“学び”の要素も取り入れながら楽しんでみてはいかがでしょうか!
 欲を言えば、何度も足を運びながら感じ・考えることができたらいいですねw夜の動物園冬の動物園冬の夜の動物園など、四季を通して様々な動物の姿が見られますし、新しい命の誕生どもありますので、何度来ても楽しいと思います(新施設のオープンなどがなくったって、新しい発見がいっぱい!)。

 以上。旭山動物園の“行動展示”だけではない魅力についてでした!

旭山動物園猿山画像

以下から旭山公式HPのリンクです!ぜひ旭山動物園で、野生の命を感じてください。

2017年の動物園の開園期間・営業時間

旭山動物園公式ホームページTOP

40周年に作られた旭山ヒストリーのページ


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4歳のおしゃべり長女&0歳のおしゃぶり長男の父。元々根暗なゲーマー。子供が産まれ一念発起しイクメンに(なりきれてない)。現在「育休中」。一人悶々考えるのが好き。時折それを妻に話すも対して相手にされないのでブログで綴るw ペコパパについて詳細
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